アナログ給与計算あるある
■給与計算ってなに?
給与計算とは、従業員の毎月の給与額を確定して、振り込みの手配までする業務ですね。 個別の雇用契約や会社の就業規則・諸規定等に基づいて、従業員の勤怠などをもとにして、まずは総支給額を求めます。そこから社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)や、各種税金(所得税・住民税)等を差し引いて、最終的に従業員に渡すべき「手取額」を計算してゆくのが一般的なやり方です。
■アナログだとどうなる?
すでに寄稿させていただいた「ペーパーレス」というテーマともかかわりが深いのですが、システムを使わずアナログなやり方で計算していると、どのような不都合があるでしょうか?
時系列に沿って、順番に考えてみましょう。
ここでは紙のタイムカードを使っている事業所を想定しています。
①勤怠締め
まず、タイムカード(現物)が完全に手元に揃うまでに時間がかかります。特に遠方の拠点(店舗、支店、事務所など)から郵送ということもあると思います。この場合は郵便事故・遅延などのリスクも常についてまわります。
また、実際に現物のタイムカードが集まり始めてからも、印字がかすれて読めない、汚損で読めない、訂正箇所が多すぎて読めない…といった様々な理由で、情報を目視で読み取るのに時間がかかってしまいます。
②勤怠集計
手計算での集計はヒューマンエラーの宝庫。こちらは実際に弊社のスタッフが手でタイムカードを計算してみた動画です。未経験者とはいえ、慣れるまでに大変な時間がかかります。
「うちはベテランスタッフが迅速に集計してくれるし、もうその方式に慣れているから」
こちらは大変よく聞くセリフです。
―そのベテランスタッフは替えがきくのでしょうか?
―後継者は教育されているのでしょうか?
―急にインフルエンザになってしまっても、支払日に間に合いますか?
(最近はコロナで入院になってしまうリスクも!)
これまでに弊社が導入支援させていただいた中でも見聞きしてきましたが、こういった集計業務は「そのベテランスタッフだけができる業務」として完全に属人化してしまっているため、これらのリスクマネジメントが考慮されていないという事業所が多くありました。周りのスタッフは、具体的にはどのようなステップで給与計算をしているか、誰も知らないのです。その担当者に任せっきり=ブラックボックスになっているがために、直属の上長ですら良く分かっていないというのもよくある話。
そして忘れてはならない点。どんなに慣れたスタッフにもエラーのリスクはあります。それが人間というもの。いくらベテランスタッフとはいえ、「ミスができない仕事」「納期に間に合わないと怒られる」という毎月のプレッシャーは、心身に確実にダメージを与えます。
→クラウド勤怠サービスを利用していれば、担当者に勤怠の集計が自動的にされた状態でリアルタイムに把握できます。勤怠を締めてから給与計算用に確定するまでの必要時間がグッと短縮されます。ただし、正しく集計されるようなもともとの初期設定はしっかりと労務知識のある担当者が、それぞれの会社のルールに沿って行うべきです。
③給与計算
勤怠集計が整って、やっと給与計算へ。
各種の手当を別途Excelで計算している…?これも入力ミスが心配です。また長く使っているExcelファイルは、数式が壊れたまま・古いままというのも頻発します。
→クラウド給与計算サービスを利用していれば、とにかく自動計算で楽です。回数に対して支給される手当も、自動カウントでミスなし。
手当や控除のマスタさえしっかり作れば…要するにその手当を割増基礎・控除基礎に入れるかどうか、所得税・労働保険・社会保険料の計算対象に含めるかどうか…そういった初期設定だけ間違えなければいいのです。
ジョブカン給与なら、他ではあまり見かけない「通勤費の上限設定」を設けて運用することもできて大変便利です。
④銀行振込の準備
四苦八苦しつつも、ようやく給与が確定しました…!
銀行振込はどのようにしていますか?
弊社が実際に導入支援サポートさせていただいた事業所では、なんと従業員数十人分の給与を、社長さんがなんと毎月ATMで手入力で振り込みをされていました…なんということでしょう!
これもヒューマンエラーの宝庫です。そして時間がかかります。
→クラウド給与計算サービスを利用していれば、確定された給与と、整備された従業員マスタから情報をひっぱってきて、自動で振込データを生成します。
例えばジョブカン給与では「全銀協のフォーマット」に則った振込用データ(FBデータ)の出力が可能です。振込用データをジョブカン給与からダウンロードしたら、そのデータを銀行専用サービスにアップロードします。これで銀行に出向くことなく振り込みの作業ができるので、給与計算担当であっても、完全にリモートワークすることも不可能ではありません。
⑤給与明細の配布
次は給与明細の印刷です。ドットインパクトプリンタに専用用紙の左右の穴をきっちりはめます。
こういった給与明細のような特殊用紙が依然として存在しつづける限り、プリンタの調子悪いとか、インクがどうとか、印字ずれがうまく調整できないとか、印刷の音がうるさいとか、用紙をちぎって一人分づつにする時間がもったいないとか…そういった問題が解決されることはありません。
→クラウド給与計算サービスを利用していれば、WEB給与明細が数クリックで発行されます。企業、従業員の両サイドにさまざまなメリットがあります。紙からオンラインへ…発想の転換の時期にきているのではないでしょうか?
【下記に年間いくら支払われていますか?】
・給与明細専用の用紙
・ドットプリンター用のインク
・プリンタ類の保守点検費用
・人件費(上記の消耗品の在庫管理・購入・運搬・取り替える等にかかる時間、印刷調整をする時間、ちぎって配布する時間)
・郵送費用
■おわりに
ひとくちに給与計算といっても、作業フローがいくつもあります。どの部分が一番面倒でしょうか?
かといって、クラウド勤怠も給与計算も、それらを入れたら全自動になるわけではありません。例えば従業員の打刻自体が漏れていれば、いくら自動集計機能があっても機能しないことは明らかです。
限られたリソースを最大限活用して効率的に仕事をする、というのが少子高齢化社会において、ますます重要になってきていますね。IT化・ペーパーレス化・クラウド化はこれらを強力に推し進める武器であり、もはや避けられない流れです。それを理解したうえで、賢くサービス選定し、着実に初期設定をする。
ぜひ一緒に使いこなしていきましょう!
株式会社TECO Design | 杉野 愼
神楽坂駅徒歩1分のショールーム”CLOUD STATION”を運営。ジョブカンシリーズをはじめ、人事労務クラウドシステムを実際に操作・比較しながら、自社に合ったシステムを見つけることができる国内唯一の場所です。これまでに、250社を超える企業の勤怠管理・給与計算等のクラウドサービス導入支援をサポートしている実績から、業務フローの改善、見直し含めて、まるごとご相談を承っています。
また、バックオフィス業務の実務担当者に寄り添うオウンドメディア”CLOUD STATION”では、ジョブカンをはじめとした人事労務クラウドのノウハウ記事、機能解説・比較記事を公開しています。
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