わかりやすく社労士が解説!人事労務Q&A【労使協定編】

わかりやすく社労士が解説!人事労務Q&A【労使協定編】

労使協定は、従業員と会社の間で取り交わす書面による協定で、時間外・休日労働に関する協定(36協定)が有名ですが、その他にも締結が必要なケースがあります。労使協定によって、労働基準法等に定められた原則の例外が認められるため、整備しておくことが重要です。

こちらの記事では、労使協定に関して、よくあるご質問をQ&A形式で社労士がわかりやすく解説します!

目次
  1. Q. 労使協定を結ぶ「過半数代表者」を選ぶ際に留意点はありますか?
  2. Q. 賃金控除に関する協定とは何ですか?
  3. Q. 休憩を一斉に与えることが困難な場合に結ぶ協定とは何ですか?

Q. 労使協定を結ぶ「過半数代表者」を選ぶ際に留意点はありますか?

A. 過半数代表者は、民主的な手続きにより選出することが重要です。

従業員側と労使協定を締結する場合には、従業員の過半数で組織される労働組合(過半数組合)がない場合、従業員の過半数を代表する者(過半数代表者)を従業員代表として労使協定を締結することが労働基準法で定められています。

過半数代表者の分母となる労働者には、労働基準法第41条2号による管理監督者、パートタイマ―等の非正規労働者も含まれますが、管理監督者は、過半数代表者になることはできません。

また、派遣労働者については、労働基準法第34条に基づく休憩時間に関する労使協定を除き、派遣先の労働者には含みません。

過半数代表者を選出するときは、労使協定の締結等を行う者を選出することを明らかにして、投票や挙手等、民主的な手続きである必要があります。使用者が一方的に指名するなど、選出過程に問題のある過半数代表者との間に締結した労使協定は無効となりますので注意が必要です。

(回答:福本 祐子)

Q. 賃金控除に関する協定とは何ですか?

A. 労使協定を締結しなければ、賃金から社宅費用や財形積立金など、控除することができません。賃金は、労働基準法第24条により、労働者に全額支払わなければならないと定められているため、法令に別段の定めがある場合(所得税の源泉徴収、社会保険料、雇用保険料、住民税の控除)を除いて控除することができません。

しかし、労使協定がある場合に限り、根拠や金額が明確であれば、社宅費用の自己負担額や財形積立金等を控除することができます。

労使協定の様式は任意ですが、控除の対象となる具体的な項目と、控除を行う賃金支払日、協定の有効期間等を記載します。なお、所轄労働基準監督署長に届け出る必要はありません。

(回答:福本 祐子)

Q. 休憩を一斉に与えることが困難な場合に結ぶ協定とは何ですか?

A. 休憩時間は事業場単位で一斉に与えることが原則ですが、別々に与える場合には、労使協定を締結する必要があります。

ただし、以下の業種は労使協定を締結することなく、一斉休憩の適用を除外することができます。

  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融・広告業
  • 映画・演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業
  • 官公署の事業

労使協定の様式は任意となっており、一斉休憩を与えない労働者の範囲と、当該労働者に対する休憩の与え方を定めておけば差し支えありません。労働基準監督署への提出は不要です。

なお、労働基準法上、休憩時間を分割して与えることは禁止されていませんが、極端に短すぎる休憩時間は自由度が低く、休憩とは認められない可能性があるため、注意が必要です。

(回答:福本 祐子)

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