「ホワイト企業」の要点とは? 認定制度の活用方法

「ホワイト企業」の要点とは? 認定制度の活用方法

2019年4月に働き方改革関連法が施行され、2019年12月時点では企業の60.4%※が働き方改革への取り組みを実施しています。

一方で、中小企業では「資金力、余剰人員の問題、何から始めたらいいかわからない」といった課題を抱え、企業規模により取り組みの差が生じています。

(※2019年12月 帝国データバンク「働き方改革に対する企業の意識調査」より)

今後、労働人口の減少、人材の安定的確保などの構造的課題も進行していく状況で、国が推奨する関連法案を理解し、働きやすい職場を整備して対外的にアピールすることは、今後非常に大切です。

働きやすい職場の整備や企業のホワイト化に向けて、

「何から取り組んだらいいのかわからない」
「取り組んではいるものの、他に必要な制度が何なのかわからない」
「取り組み実施状況を他社と比較してみたい」


といった場合には、第三者機関に自社の取り組みを判断・評価してもらうことで、現状が可視化されます。今後取り組むべき課題を明確にするのにも大変有効です。

今回は、第三者機関の一つである、企業のホワイト化を総合的に評価するホワイト企業認定について、制度の活用方法と共にご紹介します。

ホワイト企業認定とは?

ホワイト企業認定は、一般財団法人日本次世代企業普及機構(通称:ホワイト財団)が展開する認定制度です。

・ビジネスモデル/生産性
・ワーク・ライフバランス
・健康経営
・人材育成/働きがい
・ダイバーシティ・インクルージョン
・リスクマネジメント
・労働法遵守

ホワイト企業認定について | 一般財団法人 日本次世代企業普及機構(ホワイト企業普及機構) https://jws-japan.or.jp/recognition/

企業がホワイト化で取り組むべき上記7つの項目について全70設問を作成し、取り組み実施有無を確認して認定を付与しています。

大企業や中小企業の企業規模にあわせて認定基準に緩和条件を設けることで、公平に審査をしています。

さらに、審査点数で高い水準の取り組みを実施する企業を評価するために、5段階の認定ランクを設けています。

「ホワイト企業」の定義

「ホワイト企業」「ブラック企業」という言葉が生まれたきっかけ

2013年、長時間労働などが原因の過労死・過労自殺が発生し続けていることに対して、国連が日本政府に懸念を示し、是正するようにという勧告を出しました。

同じ年のユーキャン新語・流行語大賞では「ブラック企業」という言葉がノミネートされ、世の中が「ブラック」「ホワイト」と、企業を判断するようになりました。

ホワイト財団のホワイト企業認定の確立

世の中がブラック企業への批判を高める一方で、企業の未来を視野に入れて労働環境を整え、多様な人材が働き続けられる組織を作ることに真剣に取り組む企業も多くいました。

そのような企業を第三者組織として評価・表彰することで、世の中に認知され、企業のホワイト化が発展し、日本の経済の未来を支えていきたいという想いのもと、2015年に一般財団法人日本次世代企業普及機構(通称:ホワイト財団)は設立され、ホワイト企業認定制度を確立させました。

ホワイト財団が考えるホワイト企業の定義

ホワイト財団が考えるホワイト企業とは、いわゆる世間でいられている「ブラック企業ではない企業」ではなく「家族に入社を勧めたい、次世代に残したい企業」を指します。

具体的には、

  • 長期にわたって健全な経営を続けられる優れたビジネスを行う企業
  • 従業員が安心して働き続けられるために優れた社内統治を行う企業
  • 時代のニーズに合わせた従業員の働きがい(エンゲージメント)を高く保つ企業

上記の3要素を併せ持ってこそ、ホワイト企業と呼ぶにふさわしい企業だと考え、認定制度の質問項目を設けて審査しています。

ホワイト企業認定取得によって企業が解決できること

自社課題の明確化・改善

ホワイト企業認定審査を受けると、前述の7つの項目の各分野が点数で表示されます。全国の企業の取り組み状況と比較ができ、自社の取り組み状況、弱点と強みが明確に分かります。

また、点数が低かった項目については、配布資料を確認することで、今後どのような取り組みが必要か確認できます。

求人応募数の増加や優秀な人材の獲得

ホワイト企業認定のロゴを採用活動で活用した認定企業の中には、求人応募者数が5倍に増えた実績もあります。これは、「ホワイト企業認定」というPRしやすいロゴが求職者にとって目に留まりやすく、他社との差別化になった結果とえます。

既存従業員の誇りやモチベーション喚起

ホワイト企業認定取得により、自社の取り組みが評価されることで、改めて従業員に対して取り組みや制度を周知できます。

また、働きやすい職場環境の整備に取り組んでいる(=魅力的な会社である)ことは、優秀な人材の定着につながります。


求職者にとって働く環境や制度の充実度は、企業選びの大切なポイントです。自社の制度や取り組みを羅列させるだけではなく、第三者評価の認定制度である「ホワイト企業認定」を活用し、採用活動でPRすることで、以下の効果が期待できます。

・自社の状況が可視化でき課題が明確になる
・求職者にダイレクトに伝わる
・改めて自社の良さが社内に周知できる

ホワイト企業認定は無料で取得ができ、審査は70の設問に回答するだけです。

一つの取り組みにフォーカスするのではなく、総合的に判断評価する『ホワイト企業認定』を活用して、ぜひ、自社の課題を明確にし、採用力アップにお役立てください!

ホワイト企業認定審査: https://jws-japan.or.jp/web_shinsa/

五味田 匡功

ソビア社会保険労務士事務所 | 五味田 匡功

大阪のソビア社労士事務所は、労務・人事のプロとしてお客様の経営をサポートします。労務管理・助成金申請・人事制度改善・就業規則作成・給与計算・社会保険手続き・マイナンバー管理・有給休暇日数計算・勤怠管理など社労士の知識と経験で貴社の成長を支えます。
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