2022年度 キャリアアップ助成金(正社員化コース)を検討する前に担当者が知っておきたいこと

2022年度 キャリアアップ助成金(正社員化コース)を検討する前に担当者が知っておきたいこと

助成金は、一定の要件を満たした企業に国や自治体から支給される資金です。金融機関の融資などと違い、返済する義務がないことは企業にとっては大きな魅力です。

しかし助成金の申請作業は制度の理解から申請書類の作成、添付書類の作成、準備など多岐にわたるため、調べている途中で挫折してしまうこともありがちです。

そこで今回は多くの助成金の中でも人気が高い「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」の概要と2022年度の変更点、申請を検討している担当者が事前に知っておきたい点をご案内いたします。「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」を申請する際の添付書類の作成にはジョブカンシリーズの活用がおすすめです。

目次
  1. キャリアアップ助成金(正社員化コース)の概要
  2. キャリアアップ助成金(正社員化コース)2022年度の変更点
    1. 助成金対象の転換コースの見直し(金額は中小企業の場合)
    2. 正社員定義の変更(令和4年10月1日~)
    3. 非正規雇用労働者定義の変更(令和4年10月1日~)
    4. 特定の訓練終了後に正社員化した場合、加算の対象となるコースの追加
  3. キャリアアップ助成金(正社員化コース)の注意点
    1. 手順を間違えない
    2. 労働基準法等の法令遵守とそれに基づく必要書類の作成
    3. 期限を守る
    4. 社会保険労務士に依頼する
  4. まとめ

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の概要

キャリアアップ助成金とは

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。

厚生労働省ホームページより

上記画像の「正社員化支援に関するコース」が「正社員化コース」の大まかな流れになります。

画像にもありますが、
・正社員に転換する社員は転換前に6か月以上の雇用が必要なことと
・正社員に転換後6か月の賃金が3%以上増額されていること
が重要です。
この賃金3%の増額には賞与や通勤手当、歩合給、時間外労働手当(固定残業代を含む)など含めることができない諸手当がありますので、注意が必要です。
また、就業規則等の諸規則を見直し、非正規雇用の社員を正社員化する制度を確立しましょう。

まずは厚生労働省のサイトにあるキャリアアップ計画書をダウンロードし、全体のイメージをつかむことをおすすめします。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)2022年度の変更点

キャリアアップ助成金は2022年4月以降、以下の点が変更されています。

助成金対象の転換コースの見直し(金額は中小企業の場合)

有期→正規1人あたり57万円継続
有期→無期1人あたり28万5千円廃止
無期→正規1人あたり28万5千円継続

有期雇用労働者→無期雇用労働者への転換の助成金が廃止されました。

正社員定義の変更(令和4年10月1日~)

▼改正前

同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者

▼改正後

同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者
ただし、「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている労働者に限る

「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」のある正社員への転換が必要になります。
※正規雇用労働者に転換後、試用期間を設けている場合は、正規雇用労働者に転換等したとは見做されません。

非正規雇用労働者定義の変更(令和4年10月1日~)

▼改正前

6か月以上雇用している有期または無期雇用労働者

▼改正後

賃金の額または計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を6か月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者

賃金の額または計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を受けている非正規雇用労働者を正社員へ転換する必要があります。
例)契約社員と正社員とで異なる賃金規程(基本給の多寡や昇給幅の違い)などが適用されるケース。

特定の訓練終了後に正社員化した場合、加算の対象となるコースの追加

▼改正前

(1)「特定訓練コース」の労働生産性向上訓練のうち、IT技術の知識・技能を習得する為の訓練(ITSSレベル2~4)
(2)「特別育成訓練コース」における一般職業訓練、または有期実習型訓練

▼改正後

上記に加えて下記が対象となる
(3)「人への投資促進コース」のうち以下の訓練
① 定額制訓練
② 自発的職業能力開発訓練
③ 高度デジタル人材等訓練(高度デジタル人材訓練および成長分野等人材訓練)
④ 長期教育訓練休暇等制度(長期教育訓練休暇制度および教育訓練   短時間勤務等制度)を活用し、 労働者が自発的に取り組んだ訓練)

厚生労働省│キャリアアップ助成金が変わりますを参考に作成

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の注意点

手順を間違えない

キャリアアップ助成金はキャリアアップ計画の作成・提出からスタートします。その後必要があれば就業規則を改定します。従業員を正社員に転換するのはそのあとになります。それ以前に正社員に転換すると助成金の対象になりませんので注意が必要です。

労働基準法等の法令遵守とそれに基づく必要書類の作成

キャリアアップ助成金の申請は、申請書類だけでなく賃金台帳、出勤簿(タイムカード)、雇用契約書等といった書類が必要となります。
割増賃金の計算や雇用契約書などが過去に振り返って法定通りになされているか、事前に確認をしましょう。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)で申請する添付書類の作成は、「ジョブカン勤怠管理」「ジョブカン給与計算」「ジョブカン労務HR」がおすすめです。

◆ジョブカン勤怠管理

出勤簿など必要なデータがダウンロードで取り出せます。
また、ICカードやスマホで打刻することで面倒なタイムカード管理から脱却できます。

◆ジョブカン給与計算

給与計算から給与明細、賃金台帳などの帳票作成まで自動化することで、給与計算業務の負担を大幅に削減します。

ジョブカン労務HR

労務の諸手続き・電子申請のほか、書類作成機能で労働契約書などの作成ができます。従業員情報を利用して作成できるため、書類作成業務を簡略化できます。

ジョブカンシリーズの連携で、人事・労務・会計といったバックオフィス業務の一体化が図れます。

期限を守る

助成金申請の失敗でありがちなのが、提出期限を過ぎてしまうことです。
日々の業務に追われるうちに、いつのまにか提出期限を過ぎていた……
といったことにならないよう気を付けましょう。

社会保険労務士に依頼する

キャリアアップ助成金の申請は自社で行なうか、もしくは社会保険労務士に依頼するかのどちらかになります。助成金の業務は作成する書類も多く、制度も複雑なため、自社の担当者が通常の業務に加えて行なうのはかなりの負担になります。そのため、助成金の申請は顧問の社会保険労務士、あるいは助成金を得意とする社会保険労務士に依頼するのをおすすめします。

社会保険労務士以外のものが報酬を受け取って助成金の申請をすることは社会保険労務士法に違反しますので、注意しましょう。

まとめ

助成金の申請で1番大事なのは不正をしないことです。
助成金の不正受給が発覚した場合、企業名や事業主名などが公表されます。また、不正受給を行なった事業主は5年間、助成金を申請できなくなります。これに加え不正受給を行なった会社の役員等が他の会社で役員等をしている場合、その会社でも5年間、助成金を申請出来なくなります。
不正受給は詐欺罪として刑事罰を課せられることもあります。法令を遵守し、自社にあった助成金を利用しましょう。

ジョブカン通信 編集部