時間外労働(残業)、管理できていますか?

時間外労働(残業)、管理できていますか?

目次
  1. 残業(時間外労働)とは?
  2. 法改正・チェックしないといけない指数
  3. 残業代の計算方法
  4. みなし残業
  5. さいごに

残業(時間外労働)とは?

 よく「残業が●時間で~」なんて会話で出てきますね。「残業」というのは正式な言葉ではありません。実はいろいろな解釈のできるあいまいな言葉なのです。

 大前提として、適切な根拠がなければ誰も「週40時間・1日8時間」という法律で定められたラインを超過して残業することはできません。この根拠になるのが36(さぶろく)協定です。聞いたことがありますか?正式には「時間外・休日労働に関する協定届」といいます。 労働基準法第「36」条によって規定されている内容なので、一般的に「36協定」という名称で呼ばれています。

 さて、一般的な会話で「残業」と言った場合、割増賃金の発生する「法定時間外労働」をさす場合が多いと思います。36協定を根拠に、「週40時間・1日8時間」という法律で定められたラインを超えて働く場合、その超過時間を「法定時間外労働」と呼びます。この場合、最低でも1時間あたりの賃金(割増単価)25%増となります。もちろん会社の取り決めでもっと多く払っても良いのですが…。

 法定時間「内」の残業(時間外労働)というのも、会社によっては発生し得ることです。会社が定めている所定労働時間は超えているけれど、労働基準法で定められている労働時間は超えていない範囲で行われた残業のことです。

 例として、9:00-17:00勤務で、お昼に休憩時間が1時間ある会社。この場合、会社が定めた所定労働時間は、1日7時間ということになりますよね。これは労働基準法で定められた1日の労働時間(=8時間)に満たない所定労働時間です。もし18:00に退勤したら、退勤予定時刻17:00〜実際の退勤時間18:00の1時間が「法定内残業」となります。所定労働時間は超えていますが、法定労働時間の範囲内におさまっています。必ずしも25%の割増賃金を支払う決まりはありませんが、会社によってはあえて支払っているところも実際に見てきました。

法改正・チェックしないといけない指数

 働き方改革により、残業時間の上限が原則として月45時間・年360時間となり、特別の事情がなければこれを超えることはできなくなりました。

引用:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説 - 厚生労働省

日に8時間
週に40時間
月に45時間
年360時間…

 見るべき指数、管理すべき数字がたくさんあり、正直これらすべてを常にチェックし続けることは極めて難しいといえます。特に紙のタイムカードなどで、集計時間がリアルタイムにわからないような場合は不可能に近いでしょう。

 管理者と従業員の両方が、その時点での勤務状況をリアルタイムに確認することができる という環境が、労働時間の管理においてもっとも大事です。そして、それを実現するために、クラウドツールは最適なのです。管理の手間を飛躍的に減らすことができます。

 例えば1ヶ月45時間を超える残業時間の従業員には、オンラインのタイムカード上で「アラート(警告)」を出す、例として赤く色付けをするように設定するとか、メールで通知するとか、さまざまな方法を用いて本人に集計時間を自覚させることできます。
(もちろん45時間に達してしまっては調整のしようがありませんから、事前に注意をうながすようなアラートを設定することが現実的ですが…)

残業代の計算方法

 例えば給与計算を間違えて、故意ではないにしろ支払うべき残業代を支払っていないとどうなるのでしょうか?

 法律上支払義務があるのに会社が従業員に支払いをしていない「未払い残業代」。そのまま放置すると、労働基準監督署からの調査対象となりえます。また、過去の分の請求訴訟を起こされるなど法的トラブルへの発展が考えられます。遅延損害金(遅延利息)などのペナルティも設けられています。当たり前ではありますが、正しく計算したうえで、毎月正しく支払いたいものです。

 具体的な計算式ですが、下記の図のようになります。

「月平均所定労働時間」「割増賃金の基礎」というところが非常に大事です。

 よくあるのが、「●●さんだけは月平均所定労働時間が違う」というように例外的な従業員がいるようなケースです。Excelなどで、システムを介さず手計算で給与計算を行っていると、どうしてもこういう例外的なケースへの対応が忘れられてしまうことがあります。あるいは担当者が変わったときに伝え忘れていて、以後そのままずるずる誤って計算し続けてしまった…というようなことも起こり得ます。

 ジョブカンシリーズをはじめ、各種クラウド給与計算システムを使っている場合、割増基礎単価が適切に計算されるように各種マスタを整えておきさえすれば、あとは毎月自動計算できますのでラクですよね。もちろん例外的なルールを適用したい従業員には、その特別ルールをきちんと紐づけておけば何の問題もありません。

 ミスなく、納期までに給与計算を終わらせないといけない!!という心理的なプレッシャーから解放されるのではないでしょうか?

みなし残業

 「みなし残業」「固定残業制」という場合もあります。名称にかかわらず、一定時間分の時間外労働、場合によっては、休日労働及び深夜労働に対して「定額で」支払われる割増賃金のことです。

 会社が一定時間の残業をあらかじめ想定したうえで、給与に残業代を固定で含めておけますが、仮に残業時間が発生しなくても固定分の残業代の支払いがあります。またこの制度があればいくら残業させてもOKということには当然なるはずもなく、固定残業自体が認められるには様々な条件があります。もちろん、みなし残業の取り決めを超過するような時間外労働をすれば、超過分には別途残業代が支払われます。

 やはりここでも、ジョブカンをはじめとした各種クラウド給与計算システムを使っている場合、適切に計算されるように各種マスタを整えておけば、煩雑な毎月のみなし残業代・超過分の残業代の計算をする必要はなくなります。なお、選ぶクラウドシステムによって設定が微妙に異なりますので、システム選定の段階でよく確認しておきたいポイントのひとつです。

さいごに

 クラウド勤怠・クラウド給与計算も、それらを入れたら全てが自動になるわけではありません。よく当社の代表 杉野はこういう問題を「洗濯」という家事に例えています。

 各家電メーカー、さまざまなうたい文句の多機能自動洗濯機を販売していますよね。ドラム式もタテ型もありますし、乾燥機能があったり(とっても便利で重宝しています。笑)、液体洗剤・柔軟剤を自動で投入したり、静音性に優れていたり、なんと自動のおそうじ機能があったり…競争は激化しています。

 しかしながら、どんなに機能の優れたものを購入したところで、そのへんに脱ぎ散らかした靴下を洗濯機まで運んで、投入してくれる機能はありません。裏返しのシャツを直してくれる機能もありません。たたんで、収納までしてくれる機能もありません。

 何を申し上げたいか、伝わるでしょうか?

 クラウド勤怠・クラウド給与計算では、従業員の打刻自体が漏れていたり、従業員・承認者の申請承認が正しく行われていなければ、いくら自動集計機能があっても正常な給与計算に至らないのは明らかであるということです。元になるデータをどれだけ整えることができるか。整えるためのきっちりとした職場ルールが周知され、運用されていくか。そして、管理職による業務の配分が適正かどうか…

 クラウド以前に「そもそも…」という点を見直す必要があります。これがクラウドと残業を考えるうえで避けられないことでしょう。

 もちろん打刻忘れ等があったとしても、クラウド勤怠システムからアラート(警告)メールを送るように設定しておく事で、スタッフが修正する事ができます。なるべく本人に気付いてもらい、早めの対応を取ってもらえれば、締め日前の作業量を削減することができますね。

限られたリソースを最大限活用して効率的に仕事をする、というのが少子高齢化社会において、ますます重要になってきています。IT化・ペーパーレス化・クラウド化はこれらを強力に推し進める武器であり、もはや避けられない流れです。それを理解したうえで、賢くサービス選定し、着実に初期設定をする必要があります。

ぜひ一緒に使いこなしていきましょう!

TECO Design youtubeチャンネルもよろしくお願いいたします!

杉野 愼

株式会社TECO Design | 杉野 愼

クラウド勤怠、クラウド給与の設定、データ移行、利用方法サポートまでサポートさせていただいております。
また、ジョブカンシリーズに合わせた業務フローの改善、見直しのお手伝いもサポートさせていただいております。
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